2021年12月15日
「溶接について知りたい」
「溶接に向いている製品・素材について知りたい」
溶接加工について特徴、向いている素材についてご紹介いたします。
溶接加工についてご紹介します!
銅板同士を繋げるために、接合部分に圧力や熱を加えて双方を繋ぎ合わせることを溶接加工と言います。
溶接加工を行う利点は、2つの鋼板を繋げる際に材料の節約や端材を活用するので、経済的である点です。
そのため、溶接加工は多くの分野で広く利用されています。
溶接加工には大きく3つの方法があるので、それぞれについて解説します。
①融接
熱を用いて銅板同士を繋げる方法を融接と言います。
融接は、加工物のサイズや形状に関係なく加工しやすいこと、溶接方法が多岐に渡るため、加工物に適した方法を選べる等のメリットがあります。
皆さん溶接と聞けば、ヘルメットを被り火花が飛び散る中で作業する工員の姿を想像するのではないでしょうか。
融接はそのイメージに一番近いです。
②圧接
圧力を用いて銅板同士を繋げる方法を圧接と言います。
1つ目に紹介した融接は、銅板を溶かす必要がありますが、圧接はその必要がありません。
接合部分をきれいに仕上げられることに加え、溶接材を使用しないことから、作業場をきれいなまま保てるというメリットがあります。
③ろう接
繋げたい銅板の融点よりも低い金属を用いて双方を繋ぎ合わせる方法をろう接と言います。
繋げたい銅板の融点よりも低い金属だけを溶かして、のりのように使って接合します。
中学・高校で習った方も多いと思いますが、はんだ付けが似たようなイメージです。
ロボット作業によって、的確に溶接加工を行えるため、電子部品のような、高熱に弱い素材を組み立てる際に有効な方法です。大量生産を行う際におすすめの方法です。
溶接加工の特徴をご紹介します!
機械的に接合する方法と比較した時の溶接加工の特徴を5つ紹介します。
①水密性・気密性が高い
機械的に接合する場合は、カシメやボルト固定によって隙間を持たせて接合します。
溶接の場合は、隙間を持たせて接合しないので、水密性・気密性を重視する場合は溶接加工を選ぶことをおすすめします。
②比較的作業時間が短いため、工数を減らせる
機械的に接合する場合は、ネジを閉める作業を初めとして、工程が数多く存在します。
一方で、事前の準備は要するものの、溶接加工の場合作業自体はそこまで多くありません。短期間の作業で工数を減らしたい方におすすめです。
③製品の重量を増やさなくて済む
機械的に接合する場合、ボルト固定をはじめとした接合材を使用するため、その分全体の重量が重くなります。したがって、なるべく全体の重量を抑えたい場合には溶接加工を選ぶ方が良いです。
④形状の不連続が生じてしまう
上記3つは溶接加工を選ぶべき特徴でしたが、中にはデメリットとなる特徴も存在します。
作業を行う側の技量に依存しますが、溶接加工を行うと、形状に不連続が生じる場合があります。
溶接加工を選ぶ場合には、注意しておかなければならない特徴です。
⑤一度繋げると解体が難しくなる
これもデメリットと言える特徴です。
溶接を行うと、接合点の結びつきが強くなるため、解体するのが困難になります。
将来的に解体する予定のある方は、機械的に接合する方が良いでしょう。
アーク溶接の作業手順をご紹介します!
最初に、アーク溶接を行う上で必要になる道具を、その後に手順を紹介します。
溶接加工は危険を伴います。
したがって、作業を行う前には、扱う道具や機械の準備を念入りに行う必要があります。
使用する道具としては主に6点あります。
①アーク溶接機
高温で金属を溶かすため、その熱を発生させるために必要な機械です。
②アーク溶接棒
繋ぎ合わせたい材料との間に電気を生み出すために使用する道具です。
③遮光マスク
溶接を行う際には、紫外線や強い光が発生するため、その光から皮膚を保護するために使用される道具です。
④革の手袋
⑤エプロンなどの防護服
⑥ハンマー
溶接のカスをたたき落とすために使用します。
次に溶接の手順を紹介します。大きく3つの手順があります。
まず、アーク溶接機とケーブルを接続して電源を入れます。
続いて、トーチ側ケーブルにセットした溶接棒で繋ぎ合わせたい鋼材を軽く叩き、アークを発生させます。
最後に、溶接棒に触れた部分が均一に溶けているかどうか確認しつつ、銅板同士の接合部分を溶融します。
溶接するときは、まず鋼材を適切な長さに切断し、完成形をイメージして加工してくださいね。
溶接が終わった後に、鋼板の表面を磨き、ペンキや錆止めを塗れば完成です。
溶接のコストダウン事例をご紹介します!
全部で3つの事例を紹介します。
1つ目は、レーザー溶接からスポット溶接に工法を変えた事例です。
溶接の精度が高いレーザー溶接ですが、高性能な反面、コストが高くなりやすく量産には向いていないというデメリットがあります。
一方、スポット溶接は、コストが低く納期を短縮できるという特徴があり、量産に向いています。
したがって、コストを抑えたい場合は、溶接方法をレーザー溶接からスポット溶接に変更することをおすすめします。
精度に関しては、治具を使用すれば問題なく対応できます。
2つ目は、レーザースポット溶接をマイクロスポット溶接に変えた事例です。
レーザースポット溶接は、溶接時に発生する溶接歪を抑えられる優れた工法ですが、溶接の強度を保つ必要があるため、貫通溶接を行う必要があります。
加えて、溶接対象を固定しなければならないため、性能の高い治具を別途で用意する必要があります。
レーザースポット溶接をマイクロスポット溶接に変更すれば、工期を短縮し、コストも大幅に抑えられます。
3つ目は、スポット溶接を無産化スポット溶接に変更した事例です。
ステンレス材をスポット溶接によって繋ぎ合わせた後は、電解メッキとバフ研磨を使って溶接で焼けた部分の処理を行います。
無産化スポット溶接に置き換えることで、溶接後の後処理が必要なくなります。
したがって、大幅に時間の短縮とコストの削減を実現できます。
当センターの海外調達の部品加工事例をご紹介!
ここでは海外調達を行った部品の加工事例をご紹介します。
加工事例①:プレート
精度は中心穴φ60H7(0,+0.030)です
加工事例②:台座
精度は一般公差で、M14の左ネジです。個数が多いほどコストダウンが可能です。
加工事例③:フランジ
精度は先端径φ16g6(-0.006,-0.017)、先端穴φ6(0,+0.05)です
溶接加工のご依頼なら、部品の海外調達コストダウンセンターへ!
溶接加工のご依頼は「部品の海外調達コストダウンセンター」の活用をおすすめしております。アジア圏に提携工場があり、10数年間の取引から国内で生産したものと変わらないクオリティーで高い製作精度と高い品質を持ち、機械部品をアウトソーシング可能な環境がを整えられているためです。
ISO9001認証をもとにした品質検査規格を導入することにより、国内と同等の基準にて品質検査を実施しているため、高品質となっております。海外調達で問題に挙げられれる「意思疎通」や「時差」に関しても、海外の外注加工先まで依頼内容をミスなく、情報共有を行えます。
また海外調達では少ない数生産している品物は、かえって輸送コストが高くなってしまうこともありますが、当センターでは週に2回くらいを目安として安定輸入を行っているため、仮に1つの物を海外生産したとしても送料は各製品に分散され、最終的に費用の削減を実現することが可能です。
部品の海外調達について
「品質・精度は大丈夫なのか…」
「対応できる加工種類・表面処理方法に限りがあるのでは…」
「納品に時間がかかるのでは…」
「むしろコストがかかってしまうのでは…」
と不安をお持ちの方は、ぜひ下記リンクから部品の海外調達コストダウンセンターまでお気軽にご相談ください。