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部品加工の表面処理ならメッキ処理がオススメです

2021年10月11日

メッキ処理は紀元前1500年頃の古代メソポタミアで生まれた技術で、今なお技術進化を続ける代表的な金属の表面処理方法です。おもちゃによく使用されているブリキや、屋根の材料で有名なトタンもメッキ製品です。金属または非金属の表面に金属の被膜を形成させる技術がメッキ処理ですが、メッキ処理について細かく紹介します。

 

メッキ処理の特徴

メッキは金属の被膜を材料表面に形成させる技術全般を指す技術です。

金属、プラスチック、セラミックス、繊維、紙、微粉末といった材質や形状を問わずメッキ処理加工を施すことが可能で、被膜させる金属の種類によって異なる性能の機能を付与することができます。

 

メッキ処理によって付与できる代表的な機能には「装飾性」、「耐食性」、「耐摩耗性」、「はんだ付け製」、「電気伝導性」、「電気抵抗」、「低接触性」、「磁気特性」、「耐熱性」などがあり、メッキ処理を施された様々な部品があらゆる分野の機械部品等に使用されています。

 

今年開催された東京オリンピックで授与された金メダルも、銀色のメダルに金メッキ処理を施したものです。ちなみに「純銀のメダルに金をメッキする」という加工は化学電池を開発したボルタが1806年に行った実験の内容と同一のものです。

 

表面処理の一種であるメッキ処理とは?

 

メッキ処理は加工対象の表面に金属被膜を形成させて被覆する技術ですが、原理や方法によって「電気メッキ」「化学メッキ」「気相メッキ」「溶融メッキ」の4つの種類に分けられます。

それぞれの特徴を紹介していきます。

 

*電気メッキ

電流を使うメッキ法で、メッキしたい物質を含む溶液、溶融塩、または、固体電解質を含む液にメッキさせる対象物を浸漬させて直流電流を流すことで、メッキしたい物質が還元されて、電導性のある物体にメッキしたい物質の薄い層を形成させる技術になります。メッキによって得られる膜厚は数ナノメートル~数ミリメートルで、機能付与の他にも「厚みを増したい」時に用いる方法でもあります。

 

*化学メッキ

メッキしたい物質を含む液中の金属塩を還元剤によって還元させる化学反応を利用して、メッキさせる対象物の表面に薄い層を形成させるメッキ技術です。

無電解ニッケルメッキ(通称:カニゼンメッキ)で有名ですが、この技術は加熱した次亜リン酸水溶液に、鉄、ニッケル、コバルト、パラジウムなどの鉄族元素や白金族元素の金属を浸漬することにより、金属の表面が触媒となり、次亜リン酸イオンの脱水素反応が起こり、原子状水素 H とメタ亜リン酸イオン PO2− を発生させ、メタ亜リン酸イオンと水を結合させて亜リン酸イオンを発生させます。

原子状水素 H の一部は直接結合して水素ガスになり、一部はニッケルイオンの還元剤となりニッケルを析出させて、メッキさせる対象物に薄い層を形成させます。

 

*気相メッキ

気相メッキは、気相メッキの技術を用いた「蒸着」という操作で有名です。

金属を蒸発させた蒸気や、高電圧をかけてイオン化させた金属イオンをメッキさせる対象物に付着させることで数オングストロームから数nmの厚みの薄膜を形成することが可能です。様々な金属や化合物をメッキすることが出来ますが、設備が複雑なため大量加工・安価な加工をすることが難しい技術です。

 

*溶融メッキ

溶融させた金属中に鋼材等を浸けこみメッキする技術です。メッキしたい金属を熱で溶融させるため、比較的融点の低い金属がメッキ材料として選ばれます。また、この溶融メッキは他のメッキ方法と比較して厚い被膜を得ることができる、大型の構造物や面積の大きい部材でも短時間で加工できる、パイプ内など手の届かないところにもめっきができるなどの特徴があります。

 

鉄板に亜鉛を溶融メッキしたものが「トタン」、鉄板に錫を溶融メッキしたものを「ブリキ」と呼びます。比較的安価で大量加工に向いたメッキ技術ですが、金属を溶融させてメッキ浴を作るため作業環境が高温になるのも特徴の一つです。

 

表面処理でメッキ処理をオススメする理由

数ある表面処理の中でメッキ処理が優れている点は、耐食性、熱特性、摩耗性といった様々な性能を付与させることが比較的容易かつ効果的な加工方法であることです。メッキは金属の薄膜を表面に形成させるため、金属表面が酸素と触れなくなりメッキ層が存在している限り酸化は起きません。

 

また、メッキしたい製品に均一に薄膜を形成させることが可能なため、いわゆる「ムラ」が発生し難いこともメッキの特徴です。製品特性としてどの性能を向上させたいか、という点を明確にしておくとどの金属で「メッキ」をすれば良いかの選択が楽になります。

それでは一般的に「メッキ」される金属の種類とその特徴を簡単に紹介します。

 

*金

古今東西を通じて貴重な金属の代表、金。金メッキを施すことで高級感の溢れる金色になります。また、金は防食性に優れる部材なので、腐食しにくいという効果も得られます。

 

*銀

銀は金についで世界共通の貴重な金属です。導電性が金よりも高く、コネクタの接続部分には銀メッキが施されている製品が多く使用されています。銀色は美しいですが酸化しやすいので銀メッキも手入れが必要です。

 

*銅

銅は導電性、伝熱性に優れる性質を持っており、その機能性を活かして電子基板のプリント配線板に銅メッキを多く使用されています。

 

*クロム

クロムは硬度が高く摩耗性、耐食性に優れるため機械部品として重宝される性能を有しています。その性能を活かし、自動車や軸受といった高い耐摩耗性が求められる部品や、水道などの水回りの部品にはクロムメッキが施されていることが多いです。

 

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